この記事でわかること
育児と仕事を抱えながら、AWSの実務経験ゼロの状態からSAA-C03に3ヶ月で合格した。使ったのはUdemyとCloud Licenseの2つ。Udemyは全体像をつかむのに最適な教材で、使い方さえ正しければ合格への近道になる。この記事では実際にやった勉強法と、「似たサービスの違いが頭に入らない」「そもそも時間が取れない」という2つの壁をどう突破したかを書く。
私の経歴と、SAAを取ろうと思った理由
先に自己紹介しておく。IT系の会社員で、キャリアはアプリエンジニアからスタートして、今はプロジェクトマネージャとして働いている。コードを書いたりアプリを設計した経験はあるが、インフラや基盤まわりは正直それほど深くない。実務でクラウドを触ったのは、顧客の都合でAzureを選んだ案件で少しだけ。AWSは受験時点でほぼ未経験だった。
じゃあなんでSAAを取ろうと思ったかというと、「基盤エンジニアとの会話でついていけない場面がある」と気づいたから。
アプリ側の設計はわかるのに、インフラ・クラウド側の話になると途端に「ふんふん」モードになってしまう。設計レビューで「このアーキテクチャ、なんでこのサービス選んだの?」と突っ込みたい場面でも、そもそも選択肢が見えていないと聞けない。PMとして技術判断に関与するためには、クラウドの体系的な知識が必要だと感じた。その最初の一手がSAAだった。
結論から言うと、インフラ経験が浅くても合格できる。ポイントはUdemyをどう使うか、そしてその後の問題演習の進め方だ。その話を以下に書く。
SAAって思ったより難しい、3つの理由
「AWS知ってるし、まあいけるだろ」と軽く見てる人にこそ読んでほしい。SAAには独特のしんどさがある。
| # | しんどいポイント | 具体例 |
|---|---|---|
| ① | サービスの組み合わせ問題が多い | 「この要件にはどのサービスをどう組み合わせるか」を問う設計問題が中心。個別知識だけでは「なんとなくわかるけど選べない」状態になる |
| ② | 似たようなサービスが多すぎる | SQS vs SNS、EBS vs EFS vs S3、RDS vs Aurora vs DynamoDB——初見でスッと入ってくる人は相当少ない |
| ③ | 範囲が広すぎて心が折れる | コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、DB、セキュリティ、サーバーレス、コンテナ……「これ全部覚えるの?」と思う瞬間が必ず来る。自分も「だめだ。サービスの違いがわからん。IAMもポリシーも厳しい……」と一回ちゃんと心が折れた |
だからこそ、最初に全体像をざっくり頭に入れてから問題演習に入るという順番が重要になる。
使った教材と役割分担
使ったのはこの2つだけ。それぞれの役割を最初に整理しておく。
| 教材 | 役割 | 費用感 | 使い方 |
|---|---|---|---|
| Udemy | 全体像のインプット | セール時 2,000円前後 | 1周通しで視聴 |
| Cloud License | 問題演習・定着 | 月額制 | SAA問題集を3周 |
Udemy:全体像をつかむ最短ルート
使ったのはこのコース。
「AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイトSAA-C03対応」
Udemyのよいところは、SAAの広大な範囲を体系的に整理して動画で学べる点だ。サービスの概要から設計パターンまで、講師がわかりやすく解説してくれるので、テキストだけより圧倒的に理解が速い。実務経験がなくてもイメージを持ちながら学べるのが大きい。
SAAは試験範囲が広いので、最初に「全体の地図」を頭に入れておくことが特に重要だ。サービス名すら知らない状態でいきなり問題を解いても、選択肢の意味が理解できない。Udemyで体系的にインプットしてから問題演習に入る順番が、最も効率的な合格ルートだと感じた。
なお、Udemyは定価で買う必要はない。月に何度かセールが来るので、そのタイミングで買えば2,000円前後になる。急いでいなければ待つのがお得。
Cloud License:問題を反復して定着させる
Udemyでインプットが固まったら、Cloud Licenseで問題演習に移る。
定番と言われるPing-tも試したが、Cloud LicenseのほうがAWSの本番試験に近い問題が出る印象だったので、こちらをメインに使った。
やり方はシンプルで、SAA問題集を3周する。これだけ。
| 周回 | やること |
|---|---|
| 1周目 | 答えを確認しながら全問解く。わからなくても気にしない |
| 2周目 | 間違えた問題を重点的に潰す |
| 3周目 | 合格点(720点相当)を安定して超えるまで繰り返す |
3周やり切ると「この問題、見たことある」という感覚が増えてくる。本番で似たパターンの問題が出たとき、落ち着いて考えられるようになった。
自分だけの勉強法:Xmind × AI で理解を定着させた
ここが一番伝えたい話。
間違えた問題はXmindに残す
ノートや単語帳じゃなく、マインドマップツールのXmindを使った。記録する内容はこの4つ。
| 記録する項目 | ポイント |
|---|---|
| 問題文 | 後で見返したとき文脈がわかるように |
| 正解 | 答えだけでなく選んだ理由も |
| 解説(要約) | 自分の言葉で短くまとめる |
| なぜ間違えたか | ここが一番重要。何を勘違いしていたかを残す |
この「なぜ間違えたか」を残すのが重要で、ただの解説をメモするより断然頭に残る。マインドマップ形式にすることで、サービス間の関係性が視覚的に整理できるのもメリット。試験前日にXmindを見返すだけで、自分専用の弱点テキストになっている。
AIで「自分の仕事」と結びつける
正直に言うと、SQSとSNSの違いは何度読んでも頭に入らなかった。テキストで「SQSはキュー、SNSはトピック」と書いてあっても、ピンとこない。
そこで試したのが、AIに自分の業務と結びつけて説明させる方法だ。
「自分が担当している〇〇システムにSQSとSNSを当てはめたら、どういう設計になるか。概要をSVGで教えて」
こういう聞き方をすると、自分の仕事のコンテキストで設計図が出てくる。「あ、うちのシステムのここに当てはまるのか」と一発で腑に落ちた。
AWSを実務で触ったことがない人ほど、この方法は効く。ただ暗記するんじゃなく、「自分ならこのシステムにどう使うか」というイメージを持つことが、似たサービスの違いを覚える一番の近道だと思っている。
3ヶ月間のリアルな学習スケジュール
| 時期 | やったこと |
|---|---|
| 1ヶ月目 | Udemyで全体像インプット(1周) |
| 2ヶ月目 | Cloud Licenseで問題演習(1周)+Xmind記録スタート |
| 3ヶ月目 | Cloud License 2〜3周目 + Xmind弱点つぶし |
平日はほぼ無理だった。仕事が終わって育児があると、まとまった時間はとれない。実際にやっていたのはこんな感じ。
| 曜日 | 勉強内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 平日 | 朝か夜どちらかに5問だけ解く | 15〜20分 |
| 週末 | 早起きして1セット分の模擬試験 | 1〜2時間 |
ポイントは「昼間は家族と過ごす」と最初から決めていたこと。そこに罪悪感を持ちはじめると続かない。勉強は朝の静かな時間に集中して、日中は切り替える。このリズムが3ヶ月持続できた一番の理由だと思っている。
合格してわかったこと・次のステップ
合格した後で実感したのは、「資格の勉強をしてよかった」ではなく「設計の議論ができるようになった」という感覚のほうが強かったこと。
エンジニアが「この要件ならS3をイベントトリガーにしてLambdaで処理するのが自然です」と言ったとき、以前は「ふんふん」しかできなかったが、今は「なんでSQSを噛まさないの?」と問い返せるようになった。PMとして技術判断に関与できる幅が確実に広がった。
SAAはAWS資格の入口で、ここから先にはDVA(デベロッパー)・SOA(SysOps)・SAP(プロフェッショナル)と道が続く。自分もSAA取得後にそのまま上位資格を取り続けた。それぞれの体験談はまた別の記事で書く。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| Udemyで全体像を固める | 体系的な動画インプットが合格の土台。まずここから始める |
| Cloud Licenseで問題を3周 | アウトプット反復で本番の問題パターンに慣れる |
| Xmindで間違い記録 | 「なぜ間違えたか」をコメントして残す |
| AIで業務と関連づける | 暗記じゃなく「設計イメージ」で覚える |
| 毎日ゼロにしない | 平日5問+週末1セットで3ヶ月続けられた |
AWSの実務経験ゼロでも、PMでもSAAは取れる。同じ状況の人の参考になれば。