この記事でわかること

結論から言うと、AIに書かせると文章が薄くなるのは「判断軸」を渡してないからで、Claudeの外部記憶(CLAUDE.mdやSOUL.mdみたいな設定ファイル)に判断軸を書いておくと、出力がかなり自分寄りになる。この記事では、最近話題の「SOUL.mdとは」何か、CLAUDE.mdの使い方、実際に副業ブログで試したらどうだったか、を淡々とまとめる。AIに記事や文章を任せたいけど「なんか自分っぽくならない」と感じてる人向け。

記事概要図

同じAIでも「何を渡すか」で出力が変わる テーマだけ渡す 平均的でのっぺりした文章 誰が書いても同じ・署名を変えても気づかれない 外部記憶(判断軸)を読ませる 自分の判断軸が乗った文章 取捨選択・強調の置き方が自分寄りになる 違いはモデルの性能じゃなく「外に出した判断軸」の有無

AIに書かせると、なんか薄い

AIに記事を任せたことがある人なら分かると思うんだけど、出てきた文章って「間違ってはいないけど、のっぺりしてる」ことが多い。情報は揃ってる、構成も破綻してない、でも誰が書いても同じになる。署名を別の人に差し替えても、たぶん誰も気づかない。あの感じ。

あと地味に面倒なのが、毎回同じ前提を説明し直すこと。「自分はSEで」「読者はこういう層で」「この言い回しは避けて」みたいなのを、チャットを開くたびに打ち込む。これがけっこうダルい。

この2つ、原因は同じだった。AIに「自分の判断軸」を渡してないこと。AIは渡されたものの平均で書くから、判断軸が無ければ平均的な文章になる。当たり前といえば当たり前。

そもそもSOUL.mdとは?

で、この界隈で最近よく流れてくるのが「SOUL.md」という言葉。ざっくり言うと、AIエージェントに人格や価値観を持たせるための設定ファイルのこと。Markdownで「この人は何を大事にしてて、どう判断して、どんな口調で書くか」を書いておいて、AIに毎回読ませる、という運用。

ちゃんとした標準仕様もあって、SOUL.md(価値観・判断軸)と STYLE.md(文体)に分ける形が提案されてる(aaronjmars/soul.mdあたりが分かりやすい)。ポイントは、口調や語尾みたいな「文体」だけじゃなく、価値観や判断基準まで書くところ。文体だけ真似ても、出力の中身は平均のままだから。

これ、実はClaudeを使ってる人には馴染みのある話で。Claudeには公式に CLAUDE.md っていう仕組みがあって、プロジェクトのルールや前提を書いておくと、毎回のセッション冒頭で自動的に読み込んでくれる(公式ドキュメント)。最近はClaudeが自分で学びをメモる「auto memory」も付いた。要するに「外部記憶をファイルで持たせる」という発想は、もうフロント側に標準で乗ってきてる。SOUL.mdは、その中身を「人格・判断軸」に振った使い方、という整理でいいと思う。

「書かせる」と「任せる」の差は判断軸

ここだけ理屈を1つ。AIに仕事を渡すとき、「書かせる」と「任せる」は別物だ。

「書かせる」は、判断軸を共有してない相手に丸投げすること。出てくるのはAIの中の平均。「任せる」は、判断軸を先に渡してから委ねること。出てくるのは自分の判断が反映されたもの。職場で部下に丸投げするか権限委譲するか、の違いと同じ。違いはモデルの賢さじゃなくて、判断軸を外に出してあるかどうか。それだけ。

実際にやってみた:判断軸を1枚のファイルに書く

理屈は分かったので、自分のブログ環境で試した。やったことはシンプルで、判断軸を書いたファイルを用意して、Claudeに毎回読ませるようにしただけ。

ディレクトリはこんな感じで分けた。

my_blog/
├── CLAUDE.md          ← 入口。「書く前に下の.voiceを読む」と書くだけ
└── .voice/
    ├── soul.md        ← 判断軸(何を大事にするか・何を避けるか)
    ├── style.md       ← 文体ルール(語尾・避ける言い回し)
    └── episodes/      ← 自分の体験メモ(記事のネタ元)

中身は最初から立派にしなくていい。soul.mdは10行くらいから始めた。「煽らない」「売り込みを前面に出さない」「数字は出典付きで」みたいな、自分がいつも気にしてるルールを箇条書きにしただけ。style.mdには「『〜してみました!』は使わない」とか、避けたい言い回しを並べた。episodes/には、過去に書いた体験談を1ファイル1エピソードで放り込んだ。

これで、記事を頼むときに「soul.mdとstyle.md読んでから書いて」と一言添える。それだけで初稿のレベルが体感2段くらい変わった。

一番ぞわっとしたのは、出てきた文章を自分の過去記事と並べて読んだとき。取捨選択の仕方、強調する場所、避ける言い回しが、だいたい自分がやるとおりに出てた。「これ自分が書いたやつだっけ?」と一瞬迷ったくらい。文体を真似させたんじゃなくて、判断軸を渡したからこうなる。

やってみて分かったこと

良かった点と、そうでもない点を分けて書いておく。

効いたのは、まず初稿の質が安定すること。当たり外れが減って、修正が「直し」じゃなく「仕上げ」になる。あと、フロントのAIを乗り換えても土台が効く。ファイルはただのテキストだから、別のモデルに渡しても同じ判断軸で書ける。新しいモデルが出るたびにソワソワしなくなったのは地味に大きい。

逆に、過信は禁物なポイントも2つ。

1つは、AIは基本「全肯定」だということ。こっちが書いた判断軸を疑わず全部肯定してくる。だから「AIが思想を深めてくれる」みたいな期待はしない方がいい。抽出はやらせても、採否は自分で決める。スタンフォードの研究でもAIの同調傾向は指摘されてる、という話もあるくらいで。

もう1つは、更新しないと腐ること。判断軸って少しずつ変わるから、ファイルを放置すると古い自分のまま固定される。月1くらいで「最近こだわってること」を足す運用にしないと、参照する意味が薄れる。

正確に言えば、これは「AIに学習させる」話じゃない。ファインチューニングとかじゃなくて、ただ毎回参照させてるだけ。AIに棚を渡して、そこから引いてもらってる感覚が近い。

3つの結論

  • AIの出力が薄いのは、モデルの問題というより判断軸を渡してないから。SOUL.mdやCLAUDE.mdは、その判断軸を外に出して読ませる仕組み。
  • やることは「判断軸を書いたファイルを用意して、毎回読ませる」だけ。10行から始めて運用で育てるのが現実的。
  • フロントのAIは交換可能。だから追いかけるべきは最新モデルより、自分の外部記憶をどれだけ整えてあるか。ただしAIは全肯定するので、最後の判断は自分で握る。

判断軸を書くにしても、そもそも自分がAIをどう使うかの引き出しが無いと書きにくい。手を動かしてClaude活用の型を増やしたいなら、Udemyのセール時に講座をまとめ買いしておくと効率がいい(自分もこの手で広げた)。Udemyで講座を探す(セール時が狙い目)

同じ「外部記憶」の話は、Obsidianと組み合わせた回でも書いてる。気になる人はこのへんも。