先に結論:返し方しだいで月返済はほぼ倍変わる

家のことを考え始めて、一番知りたかったのは「結局、毎月いくら返すのか」だった。2026年6月の金利で試算した要点を3つ。

  • 毎月の返済額は借入額にきれいに比例する。だから「1000万円あたりいくら」を押さえれば、3000万でも7000万でも掛け算で出せる
  • 40代なら返し方は2パターンが現実的。「15年で定年前に完済」か「35年で月を抑えて長く」か。同じ3000万でも月の返済額は約21万円 vs 約12万円とほぼ倍違う
  • 金利タイプ(変動0.95%/固定3.2%)でも月数万円、35年総額で1,000万円超変わる。変動の安さは「上がらない前提」の数字

数字を見たら、家選びより先に「いくら・何年・どの金利で借りるか」を決める話だと分かった。


前提:2026年6月時点・代表的な銀行の金利

まず使う金利。2026年6月時点の、代表的な銀行・制度の水準を採用する。

金利タイプこの記事で使う代表値2026年6月の実勢
変動金利0.95%ネット銀行最優遇で0.9%台(auじぶん銀行0.930%、住信SBI0.950%など)
全期間固定(フラット35・21年以上・融資率9割以下)3.2%最多金利3.21%。現行制度で初の3%超え

出典:ダイヤモンド不動産研究所(変動金利ランキング)モゲチェック(2026年6月動向)日本経済新聞(フラット35が初の3%超え)

注意点を先に置いておく。

  • 試算は元利均等返済・ボーナス払いなし・概算。手数料や保証料、団信の上乗せは含めない
  • これは2026年6月時点の数字。固定金利は今まさに上昇局面で、フラット35は過去最大級の上げ幅をつけた。金利は時期と銀行で変わるので、実際は必ず最新値で確認してほしい
  • 返済期間20年以下なら、フラット35より低い「フラット20」(2026年6月で2.89%)もある。年数で制度が変わる点に注意

まず「1000万円あたり」の月返済額

毎月の返済額は借入額に正比例する。なので1000万円あたりの早見表を1枚持っておくと、あとは掛け算で済む。

金利 \ 返済年数15年20年30年35年
変動 0.95%59,630円45,767円31,935円27,996円
固定3.0%(参考)69,058円55,460円42,160円38,485円
フラット35 3.2%70,024円56,466円43,247円39,610円

使い方はかんたん。借入3000万円なら上の数字を**×3**、5000万円なら**×5**、7000万円なら**×7**するだけ。

たとえば「5000万円・35年・変動0.95%」なら、27,996円 × 5 = 約14.0万円/月。これが試算の土台になる。


40代なら返し方は2パターンで考えた

40代で家を買うと、返済年数の選び方が20代・30代とは別の意味を持つ。完済が定年に間に合うかどうかが絡んでくるからだ。現実的なのはこの2つ。

  • ① 15年で完済する:40代で組んでも50代のうちに完済でき、定年(65歳目安)より前に住居費の重しが外れる。老後の安心は大きいが、月の負担はかなり重い
  • ② 35年で長く借りる:月の負担を大きく抑えられる。ただし40代で組むと完済は70代にかかり、定年後も返済が続く。その間に物件が値上がりすれば売却・住み替えの余地が出る、という考え方もある(ただし値上がりは保証されない)

借入額別に、固定3.2%でこの2つを並べるとこうなる。

借入額① 15年完済(月/総返済)② 35年(月/総返済)
3000万円約210,072円 / 約3,781万円約118,830円 / 約4,991万円
5000万円約350,121円 / 約6,302万円約198,049円 / 約8,318万円
7000万円約490,169円 / 約8,823万円約277,269円 / 約1.16億円
40代の2つの返し方:月返済額(固定3.2%・概算) 緑=15年で完済/青=35年で長く 3000万 21.0万 11.9万 5000万 35.0万 19.8万 7000万 49.0万 27.7万

同じ借入額でも、15年と35年で月の負担はほぼ倍違う。一方で総返済額は、長く借りるほど利息がかさんで増える(3000万なら15年3,781万→35年4,991万)。月の楽さ(35年)と、総額の軽さ・定年前完済の安心(15年)のトレードオフ。自分の年齢と、定年までに何年あるかで、どちらに寄せるかが決まる。


変動の数字には「上がるかも」が隠れている

金利タイプの差も見ておく。35年・借入額別で、変動0.95%と固定3.2%を並べるとこうなる。

借入額変動 0.95%(月)固定3.2%(月)月の差35年の総返済差
3000万円約83,988円約118,830円約3.5万円約1,463万円
5000万円約139,981円約198,049円約5.8万円約2,439万円
7000万円約195,973円約277,269円約8.1万円約3,414万円

ただし強調しておきたいのは、変動0.95%は金利が35年間ずっと変わらなかった場合の数字だということ。実際の変動金利は半年ごとに見直され、上がる可能性がある。

2026年は長期金利が1年で1%以上上がった局面で、固定金利は過去最大級の上昇をつけた(日経の報道)。変動が今後どうなるかは誰にも断定できない。変動を選ぶなら、「金利が上がっても返せるか」を固定の数字(3.2%側)で確かめておくのが安全側になる。安さの変動か、固定の安心かは、家計にどれだけ余白があるかで変わる。


3つの結論

① まず「1000万円あたり」を覚える 借入額に比例するので、1000万あたりの月返済額さえ持っておけば、3000万でも7000万でも掛け算で出せる。家探しの前に持っておくと話が早い。

② 40代は「15年で定年前に完済」か「35年で月を抑える」か 同じ借入額でも月の負担はほぼ倍違う。定年までの年数と、毎月いくらまでなら無理なく返せるかから逆算する。

③ 変動を選ぶなら固定の数字で耐性チェック 変動の安さは「上がらない前提」。上がっても返せるかを固定側(3.2%)の数字で確かめておく。安さか安心かは、家計の余白しだい。

正確な返済額は、団信や手数料も含めて条件で変わる。自分の借入額・物件で正確に出したいなら、銀行のシミュレーターや無料の相談窓口で、複数行を比べて出すのが確実だと思う。

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