この記事でわかること
結論から言うと、デザインスキルがなくてもAI画像生成で壁紙を作ってBOOTHで出品することはできる。ただし「AIに指示すれば完成」は幻想で、コンセプト設計と反復改善が本質だった。この記事では自分が実際に踏んだ失敗と、そこから固まった仕組みを包み隠さず書く。現時点の売上は実売2件。「稼いでいます」という話ではなく、「仕組みを作った話」として読んでほしい。
目次
記事概要図
きっかけは「自分の作業環境をなんとかしたかった」だけ
市販の壁紙アプリに違和感があった
週末の作業中、気づいたらデスクトップの壁紙が気になって手が止まることがある。集中したいのに、なんか背景がうるさい。
市販の壁紙アプリやUnsplashで探してみたが、どれもしっくりこなかった。きれいな風景写真は「写真」が主役になりすぎる。幾何学系の抽象パターンは主張が強すぎる。シンプルなグラデーションは無難だが、なんか味気ない。
欲しかったのはもっとシンプルなことで、**長時間作業しても目が疲れない、「そこにあることを忘れられる背景」**だった。「壁紙を見たい」のではなく「壁紙の存在を忘れたい」というやつだ。
「自分で作れるんじゃ?」と思ったら本当に作れた
ある週末、いつも仕事でも使っているChatGPTのGPT Image機能を試してみた。「長時間作業向けの落ち着いたパステル系背景」みたいなプロンプトを英語で入れたら、思ったより悪くない画像が出てきた。
正直に言うと、最初の1枚を見て「お、いけるんじゃん」と思った。が、すぐに「ちょっと違う」の連続が始まる。
最初のころは「なんかAIが作った感じがする」「壁紙というより素材集みたいだ」という出力が続いた。どうすれば自分が欲しいものが出てくるか、試行錯誤を繰り返すうちに、少しずつ「欲しいもの」の言語化が進んでいった。それが結果的に「仕組み」になっていった、という流れだ。
AI画像生成で壁紙を”シリーズ化”するまでの流れ
ツール選定(ChatGPT GPT Image)
使ったのはChatGPTのGPT Image(DALL·E)。選んだ理由は単純で、すでに使い慣れていたのと、商用利用がOpenAIの利用規約上OKと確認できたから。MidjourneyやAdobe Fireflyも検討したが、慣れているツールで走ることを優先した。
出力した画像はImageMagickのシェルスクリプトで自動リサイズしている。4枚の生成画像を4K・モバイル・正方形の3サイズに一気に変換できるので、1テーマあたり計12枚が揃う。PhotoshopもIllustratorも不要だった。
プロンプト設計でハマったこと・試行錯誤
ここが一番しんどかった部分で、かつ一番面白かった部分でもある。実際に踏んだ失敗を3つだけ書く。
失敗1:「Aurora」が光エフェクトになった
最初のシリーズは「Pastel Aurora」という名前で作り始めた。オーロラっぽいパステルな空気感を出したかったのに、生成される画像がどれもオーロラの光の筋・グローエフェクト全開になってしまう。
原因は単純で、Auroraという単語をモデルが「光エフェクト名」として解釈したから。欲しかったのは「オーロラのような空気感」であって、「オーロラの光線が走る画像」ではなかった。
修正したのはプロンプトの表現の仕方だ。
// NG(やりがち)
soft glowing aurora light streaks
// OK(欲しくないものを明示する)
subtle atmospheric lavender presence,
not light, not glow, not highlight
「欲しいもの」だけでなく「欲しくないもの」を書くことで、出力が一気にイメージに近づいた。この発見が一番大きかった。
失敗2:条件を増やすほど特徴が消えた
いい感じになってきたと思って、どんどん条件を足した。paper texture・matte・glow なし・diagonal band・soft pink・professional・negative space……全部盛りにした結果、出力が「全部が平均化した無個性画像」になった。
モデルは複数の条件を同時に満たそうとして、どの条件も中途半端に処理する。条件が多いほど特徴が消える、という逆説だ。
解決策は優先順位の階層化。順番はこうする。
- 世界観(このシリーズは何者か、1行で)
- 禁止事項(絶対に出てきてほしくないもの)
- 構図・テクスチャの微調整
この順番を守るようにしたら、安定して意図に近い出力が出るようになった。逆順にすると破綻する。
失敗3:引き継ぎをサボると全部やり直しになる
新しいチャットを開くと、前の会話で積み上げたコンセプト定義がリセットされる。当たり前だが、これを甘く見ていた。
あるシリーズを別チャットで再生成しようとしたら、まったく別物の「テクスチャ素材見本」みたいな画像が出てきた。前のチャットで「これは装飾壁紙ではなく、長時間作業向け空気設計商品」という定義を積み上げていたのに、それが引き継がれていなかった。
以来、新チャットでは必ず冒頭に1行のコンセプト定義を入れることにした。たったこれだけで再現性が格段に上がった。AIとの作業は「コンテキストをどう引き継ぐか」が品質の半分を決める、という話はブログ記事でも繰り返し書いてきたが、画像生成でも同じだった。
「1枚→シリーズ」に仕組み化できた理由
試行錯誤の末に気づいたのは、1枚の「当たり」ができれば、そのプロンプトの構造がテンプレになるということ。
「世界観の定義文」「禁止語リスト」「構図の条件」という3要素が固まったら、あとはテーマだけ変えれば同じ品質でシリーズが作れる。PastelシリーズをSakura・Cloud・Lavender・Aurora・Sunrise…と9作まで展開できたのはこの構造があったからで、1枚1枚をゼロから考えていたら到底無理だった。
テンプレができた瞬間、「あ、これが仕組み化か」と思った。デザインスキルは不要で、言語化スキルと試行錯誤の記録が価値になるという感覚だった。
BOOTHに出品してわかったこと
出品の手順・設定で気をつけたこと
BOOTHへの出品自体は難しくない。ZIPファイルにまとめてアップロードし、説明文・タグ・価格を設定するだけだ。ただ細かいところでいくつかつまずいた。
サムネイル設計は見落としがち
最初は壁紙の色と背景色が被って、BOOTH商品一覧でほぼ見えない状態になっていた。白系の壁紙を白背景で出すと、サムネが埋もれる。背景色を#F6F5F3くらいの微妙なオフホワイトにするだけで視認性が上がった。差は2〜3%のグレー差分だが、効果はある。
タグの選び方が最初は抽象的すぎた
art・abstract・minimalみたいなタグは競合が多すぎて意味がない。desktop wallpaper・minimal workspace・productivity wallpaperなど、実際に検索されそうな具体的なキーワードに変えてから、少しずつ見られるようになった。
ZIPの中身確認は必須
Macで作業するとどこかに.DS_Storeが混入する。出品前に必ず削除してから再ZIPする手順を固定にした。これをサボると、商品ファイルの中に謎のシステムファイルが入った状態で売ることになる。
価格設定の失敗
最初、単品500円・バンドル900円という設定にしていた。バンドルの割安感が薄く、「わざわざバンドル買う理由」が弱かった。単品500〜700円・バンドル1,200〜1,500円くらいの価格差があると、バンドルの選択理由が生まれる。価格は「安ければ売れる」ではなく「差があると判断される」という話だった。
実売2件から見えたこと(正直なところ)
現時点でBOOTH経由の実売は2件。金額にすると数百円の世界だ。
正直に言うと「稼いでいる」とは言えない。でも、売れるかどうかより先に感じたことがある。「自分が欲しくて作ったものが、他の人に買われた」という感覚が、思ったより気持ちよかった。
副業として壁紙販売だけで月収を作るつもりはない。ただ、「自分の作業環境のために作ったものが、見知らぬ誰かの作業環境に使われている可能性がある状態」を作れたことは、次のステップへの足場になった。
この仕組みをAI副業として考えると
売上より「コンテンツ資産」として価値がある
正直なところ、壁紙の販売収益だけで見ると費用対効果は高くない。でも、この仕組みを作った経験はブログのコンテンツとして価値がある。
「AI画像生成ツールを活用してデジタル商品を作り、BOOTHで売るまでの試行錯誤」は、同じことをやってみたいエンジニアには読んでもらえる記事になる。Udemyで「AI活用」の講座を探している層とも親和性が高い。壁紙の販売収益は小さくても、ブログの「AI副業」ジャンルを厚くするコンテンツ資産として機能する。
今の位置付けはこう整理している。
| チャネル | 役割 |
|---|---|
| BOOTH | 実売の場・AI副業の実績 |
| このブログ | 仕組みと思想の公開(無料) |
| note(予定) | テンプレ・プロンプト集(有料) |
「作って売る」だけでなく、「作る過程を記録してコンテンツにする」という二重の使い方ができるのが、デジタル商品×ブログの組み合わせの強みだと思っている。
詳しい手順はnoteで公開予定
プロンプトの具体的な構造・禁止語リスト・テンプレートは、ある程度まとまったタイミングでnoteで有料公開する予定だ。このブログでは「なぜこうなったか」という思想と大まかなフローまで。具体的な「どうやるか」の手順はnoteで、という棲み分けにする。
まとめ
- デザインスキルはゼロでも、AI画像生成ツールを活用すれば壁紙は作れる
- ただし「AIに任せるだけ」は幻想。コンセプト設計→禁止事項定義→構図の順番が品質を決める
- 1枚の「当たり」ができればプロンプトがテンプレになり、シリーズ化の仕組みができる
- BOOTHへの出品自体は難しくないが、サムネ・タグ・ZIP確認・価格設定で細かくつまずく
- 売上より「仕組みを作った経験がコンテンツになる」ことが副業的には本質かもしれない
自分の作業環境を改善したくて始めたことが、いつの間にか副業の実験台になっていた。副業ブログをやっていると、「自分のためにやったことが記事になる」という連鎖が起きやすい。AI副業に興味があるなら、まず自分のために使い倒してみるのが一番の近道だと思っている。
AI活用のスキルをさらに深めたいなら、Udemyのセールタイミングを狙って講座を取るのが費用対効果が高い。
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