この記事でわかること
結論から言う。Azure資格は「AZ-900→AZ-104→AZ-305」の順番が王道で、初心者はまずここを目指せばいい。ただし職種によっては別ルートが最短になることもある。
自分はAWS資格5種を取ったあとにAzureに入り、AZ-104とAZ-305を取得済みだ。「AWSを知っているとどう活きるか」「どの順番で取るべきか」「各試験の実態はどうなのか」をSE視点で正直に書く。AWS持ちの人向けのサービス対応表もつけたので参考にしてほしい。
Azure資格の全体マップ
Azureの資格は3つのレベルに分かれている。
Fundamentals(基礎)
- AZ-900(Azure Fundamentals)
Associate(中級)
- AZ-104(Azure Administrator)
- AZ-204(Azure Developer)
- AZ-500(Azure Security Engineer)
- AZ-700(Azure Network Engineer)
Expert(上級)
- AZ-305(Azure Solutions Architect Expert)※AZ-104合格が前提
- AZ-400(Azure DevOps Engineer Expert)
初心者がまず取るべき1枚は圧倒的にAZ-900だ。
3試験の公式データ比較
AZ-900・AZ-104・AZ-305の試験情報を公式情報をもとに並べた。
| 項目 | AZ-900 | AZ-104 | AZ-305 |
|---|---|---|---|
| レベル | 初級 | 中級 | 上級 |
| 試験時間 | 約45分 ※1 | 約120分 | 約120分 |
| 問題数 | 40〜60問 | 55問前後 | 40〜60問(ケーススタディ含む) |
| 合格点 | 700 / 1000 | 700 / 1000 | 700 / 1000 |
| 前提条件 | なし | なし(AZ-900推奨) | AZ-104合格が必須 |
| 出題形式 | 4択・穴埋め | 4択・複数選択・並び替え・ドロップダウン | 4択+ケーススタディ |
| 受験料(米ドル) | $99 | $165 | $165 |
※1 AZ-900の試験時間は事前説明などを含めた着席時間が約65分、問題を解く時間は約45分。
※ 受験料はMicrosoft公式の米ドル価格(2026年時点)。日本円での支払い時は為替レートにより変動する。
AZ-900の出題範囲(3領域)
| 領域 | 割合 |
|---|---|
| クラウドの概念 | 25〜30% |
| Azureのアーキテクチャとサービス | 35〜40% |
| Azureの管理とガバナンス | 30〜35% |
AZ-104の出題範囲(5領域)
| 領域 | 割合 |
|---|---|
| Azure IDとガバナンスを管理する | 20〜25% |
| ストレージを実装して管理する | 15〜20% |
| コンピューティングリソースをデプロイ・管理する | 20〜25% |
| 仮想ネットワークを実装・管理する | 15〜20% |
| Azureリソースの監視と管理 | 10〜15% |
初心者向け王道ルート:AZ-900→AZ-104→AZ-305
AZ-900|Azureの「地図」を手に入れる試験
AZ-900はAzureの全体像を掴む入門試験だ。クラウドの概念・主要サービス・セキュリティ・コスト管理を一通りカバーしていて、難易度は低い。IT未経験でも2〜3ヶ月の勉強で合格できる人が多い。
「Azureって何ができるの?」が体系的にわかるのがこの試験だ。この地図がないままAZ-104に突っ込むと、試験勉強中に「このサービスって何者?」で頻繁に詰まる。完全初心者は素直にAZ-900から始めることをおすすめする。
勉強方法としては、Udemyの対策講座を1.5〜2倍速で通しで見るのが一番コスパがいい。テキストを読み込むよりも、動画でAzureポータルの画面や概念図を目で見ながら覚えるほうが頭に入りやすい。
→ UdemyのAZ-900対策コースはこちら(セール時が狙い目)
AZ-104|「Azureを動かせる」を証明する試験
AZ-104はAzure Administratorの資格で、仮想マシン・ネットワーク・ストレージ・ID管理・監視まで、実際にAzureを運用する管理者として必要な知識を問われる。
AZ-900が「Azureを知っている」なら、AZ-104は「Azureを動かせる」レベル。就職・転職・社内のAzure案件でアサインされるときに、この1枚があると信頼度が上がる。
自分がAZ-104を取った動機も、まさにそこだ。社内でAzureを使う案件が発生して「Azureわかる人いない?」という状況になったとき、名刺代わりになるものが欲しかった。AZ-104合格後はそのまま実務でAzureに入ることができた。
試験の難しさはAZ-900とは段違いで、特に「操作手順系の問題」がきつい。4択ではなくドロップダウンで選べ・手順を並び替えろ、という形式が多い。Udemyで実際のAzureポータルの画面操作を見ておくことが有効な対策になる。
AZ-104の具体的な勉強法は別記事に詳しく書いているので合わせて読んでほしい。
→ AWS資格持ちが実際にやった最短Azure学習ルート(AZ-104体験記)
AZ-305|設計・アーキテクチャを語れるレベルへ
AZ-305はAzure Solutions Architect Expertで、AZ-104の上位に位置する上級資格だ。単なる操作・管理の話ではなく、「なぜこの構成にするか」「要件に合わせてどう設計するか」という設計思想を問われる。試験時間は約120分。
特徴的なのがケーススタディ形式の問題だ。架空の企業の業務要件・技術要件を読み込み、それに合わせたAzureのアーキテクチャを設計する問題が出る。知識があっても「要件を正確に読む力」がないと答えられない。4択問題とケーススタディが混在するため、AZ-104よりも「考える試験」という印象が強い。
自分はAZ-104合格から数ヶ月後にAZ-305を取得した。AWSのSAP(Solutions Architect Professional)がAzureでいうAZ-305に近い試験感で、「クラウドの設計思想」はAWSの経験がそのまま活きた。ただしAzure固有のサービス名・設計パターンは別途頭に入れる必要があった。
AWS経験者向け:AWSとAzureのサービス対応表
AWSをすでに知っている人は、「AWSで言うあれだ」と結びつけながら覚えると理解が倍速になる。自分も実際にこのマッピングをメモしながら勉強した。
| カテゴリ | AWS | Azure |
|---|---|---|
| 仮想マシン | EC2 | Virtual Machines(VM) |
| 仮想ネットワーク | VPC | Virtual Network(VNet) |
| オブジェクトストレージ | S3 | Blob Storage |
| ファイルストレージ | EFS | Azure Files |
| マネージドDB(RDB) | RDS | Azure SQL Database |
| NoSQL | DynamoDB | Cosmos DB |
| ID・アクセス管理 | IAM | Microsoft Entra ID(旧Azure AD) |
| 監視・ログ | CloudWatch | Azure Monitor / Log Analytics |
| サーバーレス | Lambda | Azure Functions |
| コンテナ管理 | ECS / EKS | Azure Container Apps / AKS |
| ロードバランサー | ELB | Azure Load Balancer |
| CDN | CloudFront | Azure CDN / Front Door |
| IaC(インフラコード化) | CloudFormation | ARM Templates / Bicep |
| セキュリティグループ | Security Groups | Network Security Groups(NSG) |
| DNSサービス | Route 53 | Azure DNS |
このマッピングを頭に入れておくと、AZ-104の問題を読んだときに「あ、これVPCのAzure版の話か」とすぐ文脈をつかめる。完全初心者と比べて、問題文の理解速度がまったく違う。
ただし注意点がひとつある。概念は似ていても、細かい仕様や用語は違うことが多い。
たとえばAWSのサブネットは「パブリック/プライベート」で明示的に分けるが、AzureのVNetはサブネット自体に公開/非公開の区別がなく、ルーティングとNSGの設定で制御する設計になっている。また、IAMは「ユーザー・グループ・ポリシー」で管理するが、Microsoft Entra ID(旧Azure AD)は「ユーザー・グループ・ロール」という概念で動いていて、RBACの考え方も若干異なる。
こういう「似てるけど違う」部分こそ試験で問われやすい。AWSの知識で「たぶんこっちだ」と直感で答えると外しやすいので注意が必要だ。
職種別おすすめルート
| 職種 | おすすめルート |
|---|---|
| インフラエンジニア・SE | AZ-900 → AZ-104 → AZ-305 |
| アプリ開発者 | AZ-900 → AZ-204 |
| セキュリティ担当 | AZ-900 → AZ-104 → AZ-500 |
| ネットワーク担当 | AZ-900 → AZ-104 → AZ-700 |
| DevOps担当 | AZ-900 → AZ-104 → AZ-400 |
インフラ・SE系の人は王道ルートで問題ない。開発者系の人はAZ-204(Azure Developer)がより実務に直結する。セキュリティやネットワーク担当はAZ-104を経由してから専門領域に進むのが定石だ。
AWSとAzureの資格、両方取る意味はある?
「どっちが有利?」と聞かれることが多い。自分の考えは「両方取れるなら取ったほうがいい、でも焦らなくていい」だ。
AWSは市場シェアが大きく案件数が多い。Azureは企業のオンプレからの移行やMicrosoft 365との連携で需要が伸びており、大企業の基幹系システム周りで強い。どちらの案件もあるため、両方の知識と資格があると動ける幅が広がる。
実際、AWSで設計の考え方を身につけておくとAZ-305の学習がかなり楽になる。「クラウド設計の思想」はAWSもAzureも根っこは同じだからだ。
AWS資格から始めたい人はAWS資格ロードマップの記事も参考にしてほしい。
まとめ:まずAZ-900の「地図」を手に入れよう
| ステップ | 資格 | 目安期間 |
|---|---|---|
| ① | AZ-900(基礎) | 1〜3ヶ月 |
| ② | AZ-104(管理者) | 3〜6ヶ月 |
| ③ | AZ-305(設計) | 3〜6ヶ月 |
Azureを初めて勉強するなら、AZ-900からが王道で迷いにくい。地図がないまま走り出すより、まず全体像を頭に入れてから細部に入るほうが結果的に早い。
AZ-900の勉強はUdemyの講座が一番コスパがいい。セール時に1,500〜2,000円で買えるので、まず一本買って動画を流し見しながら全体像を掴むのをおすすめする。
どのルートで進むかが決まったら、あとはコツコツやるだけだ。週末だけの勉強でもちゃんと積み上がる——自分がそれを証明している。
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※ 試験情報(時間・出題範囲・受験料)はMicrosoft公式情報および複数の合格者情報をもとに記載しています。試験内容は予告なく変更される場合があるため、受験前は必ずMicrosoft公式サイトで最新情報をご確認ください。