この記事でわかること
GitHubで星11万を超えた「mattpocock/skills」という話題のskills集がある。中身はガチの開発者向けで、正直エンジニア以外には関係なさそうに見える。
でも全部読んでみたら、コードを1行も書かない副業作業(ブログ・動画・note)にそのまま効くものが混じってた。この記事では、週末SEの自分が実際に試して「これは副業に効く」と判断した3つだけを抜いて紹介する。逆に「副業には要らなかったもの」も正直に書く。
目次
- そもそもmattpocockのskillsって何?
- なぜ「開発用」が副業に効くのか
- 副業に効く①:grill-me(作る前に質問攻めさせる)
- 副業に効く②:write-a-skill(繰り返し作業を仕組み化)
- 副業に効く③:handoff(引き継ぎ書を自動生成)
- 逆に「副業には要らなかった」もの
- やってみて分かった3つの結論
記事概要図
そもそもmattpocockのskillsって何?
週末にXを眺めてたら「有名エンジニアが自分の使ってる本物のskillsを丸ごと公開して爆伸びしてる」というポストが流れてきた。星が約10万と書いてあったのでGitHubを見に行った。
結論、事実で星11万超(正確には11.2万)。作ったのはMatt Pocockという人で、TypeScript界隈では知らない人がいないレベルの有名人。自分の .claude ディレクトリ(=Claudeへの指示書きをまとめた場所)を、そのまま公開したものだった。
特徴を整理するとこんな感じ。
| 特徴 | 中身 |
|---|---|
| 思想 | 「vibe coding(雰囲気でコードを書く)じゃなく本物の開発用」 |
| 設計 | 小さく・改造しやすく・組み合わせ自由 |
| 対応 | どのAIモデルでも動く |
| 根拠 | Pragmatic Programmer や DDD など、開発の古典がベース |
| ライセンス | MIT(自由に使える) |
ここまで読むと「やっぱりエンジニア専用じゃん」と思う。自分も最初はそう思った。でも全23個を一通り読んでいくと、コードと全然関係ない作業に使えるものが何個か混ざっていた。
なぜ「開発用」が副業に効くのか
理由はシンプルで、skillsの正体が「AIへの仕事の頼み方の型」だから。
考えてみると、副業のブログも動画もnoteも、最近は「AIに下書きさせて自分が仕上げる」流れになってる。つまりコードを書いてなくても、やってることは「AIにちゃんとした仕事をさせる」という点で開発とまったく同じなんだよね。
だから開発の現場で磨かれた「頼み方の型」は、そのまま副業作業にも効く。自分はブログ・X・BGM動画・Shortsと複数チャネルを週末だけで回してるので、ここの効率は死活問題。さっそく効きそうな3つを抜いて試した。
副業に効く①:grill-me(作る前に質問攻めさせる)
3つの中でいちばん効いたのがこれ。
何をするスキルか。 ひとことで言うと「作り始める前に、AIから逆に質問攻めにしてもらう」スキル。普通はこっちがAIに指示を出すけど、grill-meは逆。AIが「読者は誰?」「ゴールは?」「やらないことは?」と1問ずつ聞いてきて、全部答え終わると企画の要件が固まっている、という仕組み。
中身を見たら驚くほど短くて、本質は3行だった。
- 質問は1問ずつ聞く
- 各質問に「おすすめの答え」を必ず添える
- 調べれば分かることは質問せず自分で調べる
副業での使い道。 これ、記事や動画の企画段階にそのまま使える。いつもは「この記事書いて」とAIに丸投げして、出てきた草案が思ってたのと違って書き直す……を繰り返してた。grill-meを挟むと、書き出す前に方向性のズレを潰せる。
実際にやってみた。 ちょうどこの記事を書くにあたって、grill-meを自分の副業用に作り変えて回してみた。読者像・記事のゴール・差別化ポイント・やらないこと、を1問ずつ詰められた。
正直な感想を3つ。
- 書きたいことが明確化される。 考えるべき課題が「質問」の形で出てくるから、頭の中のモヤモヤが整理される。これがいちばん効いた。
- 答えやすい。 AI側が毎回「おすすめはこっちです、理由は〜」と推奨を添えてくれるので、こっちはYES/NOで方向が決まる。ゼロから考えるより圧倒的に楽。
- ただし手間はかかる。 7問に順番に答えるのは、正直しんどい瞬間もあった。ただこれ、システムの要件定義書を作るときの手間とまったく同じ感覚で、「ちゃんとしたものを作るなら、これくらいは必要だよな」と納得感もあった。
雑に頼んで雑なものが出て書き直すか、最初に少し手間をかけてズレを潰すか。週末しか時間がない自分には、後者の方が結局お得だと感じた。
副業に効く②:write-a-skill(繰り返し作業を仕組み化)
何をするスキルか。 「新しいskillを、ちゃんとした構造で作る」ためのスキル。要は”スキルを作るスキル”。毎回やってる手作業を、AIが毎回同じ手順で再現できる形に落とし込む。
副業での使い道。 副業って、地味に同じ作業を繰り返してる。記事のリサーチ手順、X投稿の型、BGMのサムネ作り……。こういう「毎回やること」を一度スキルにしておくと、次からは呼び出すだけで同じ品質で再現できる。
実際にやってみた。 さっきのgrill-meも、実は本家をそのままコピーしたわけじゃなくて、write-a-skillの考え方を使って「自分の副業専用」に作り直した。開発用の用語を「ブログ・動画・note」に置き換えて、自分のルール(週末しか動けない、複数チャネル運営)に合わせた推奨を組み込んだ。
一度作ってしまえば、次に記事や動画の企画をやるときは呼び出すだけ。この「自分専用の仕組みが資産として溜まっていく」感覚は、以前書いたNotebookLMでリサーチをゼロトークン化した話と同じで、一度仕組みにすると後がずっと楽になる。
副業に効く③:handoff(引き継ぎ書を自動生成)
何をするスキルか。 今やってる作業の途中経過を、別のAIや次の自分が続けられるように「引き継ぎ書」にまとめてくれるスキル。
副業での使い道。 自分の副業の最大の制約は「週末しか動けない」こと。月曜から金曜は会社員なので、土曜にやりかけた作業を、翌週末の自分が思い出すところから始めることになる。この1週間のブランクで、毎回「先週何やってたっけ」となる。handoffはここに効く。
正直、本家handoffそのものはまだ使い込んでない(だから△の正直評価)。ただ、自分はすでに似たことをやっていて、作業を終えるときにセッションの状態を記録に残す運用をしている。これは以前書いたObsidianを”第二の脳”にした話の延長で、「自分の記憶に頼らず、外に記録を残す」発想そのもの。handoffはこれをAI向けにきれいに型化したものだと感じた。週末作業者には相性がいい。
逆に「副業には要らなかった」もの
正直に書く。23個のうち大半は、コードを書く人専用だった。
| スキル | 中身 | 副業での判定 |
|---|---|---|
| tdd | テスト駆動開発 | ❌ コード書く時専用 |
| diagnose | バグのデバッグ手順 | ❌ 同上 |
| to-prd / triage | 仕様書・課題管理 | ❌ チーム開発向け |
| caveman | やり取りを75%圧縮 | △ 自分は別ルールで代替済み |
特にcavemanは「AIとのやり取りのトークンを圧縮する」面白いスキルなんだけど、自分はすでに「返答は体言止めで短く」というルールを別に作って運用してるので、今回は見送った。
大切なのは「自分に関係あるのはどれか」。今回はスキルを絞って紹介した。
やってみて分かった3つの結論
最後に、実際に触ってみての結論を3つ。
-
「開発用」のラベルで判断しない方がいい。 skillsの正体はAIへの仕事の頼み方の型で、コードを書かない副業作業にもそのまま効くものがある。grill-me・write-a-skill・handoffの3つは非エンジニアでも普通に使える。
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いちばんの当たりはgrill-me。 作る前にAIから質問攻めにされると、自分でも気づいてなかった企画のモヤモヤが言語化される。手間はかかるが、要件定義書を書く手間と同じで、ちゃんとしたものを作るなら払う価値がある。
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コピーじゃなく”自分用に作り変える”のが本番。 本家をそのまま使うより、write-a-skillの発想で自分のルールに合わせて作り直すと一気に実用的になる。MITライセンスで自由に改造できるので、ここは遠慮なくやっていい。
もし実際に入れてみたい人は、ターミナルで npx skills@latest add mattpocock/skills の1行で導入できる(Claude CodeなどのAIエージェントが必要)。気になったものだけ選んで入れればいい。
こういうAIツールを副業に組み込む話は、結局のところ「AIをどう使いこなすか」の引き出しの数で差がつく。土台になるAIの使い方や、クラウド・資格まわりの学習はUdemyで講座を探す(セール時が狙い目)と効率がいい。自分もここで土台を作った。
最近、いろいろ調べがいがあることが多くて週末が楽しみだ。